第二十話　コンビニ店員と侍

新宿藩 某コンビニ
いらっしゃいませー
今日もいい天気ね バイトしてる場合じゃないわあ
ちょお兄ちゃん
はいはい
この弁当高すぎなんじゃねえのか?　ぼったくりだよなあ
ええ…あたしに言われても…
しっかり対応しろよ 俺らを怒らせたらどうなるかわかってんのかあ!?
やだ…典型的な導入かませじゃないの
なんだとてんめえ～ 王道の適役と言え!!
ちょ やめてよ!

ガッ フン!!!!　ギャッ
まったく嘆かわしい
ちょっとぉ ここ店内なんだけど!!
誰だお前
この街の侍だ
ん?前に会ったか?
小さくて可愛らしい侍さんよお　こんな危ない街に来ちゃだめでちゅよ～
なめやがって…こちとら5年と7か月前に成人済みだ
((年上だったのね…))
貴様らのようなたわけ者がいるから新宿藩の治安が良くならんのだ!!そこに直れ!!
何だこいつ やっちまえ!!
外でやってえ 外で!!

ドーーーーーーーン
つ強い・・・
お…覚えてろよー!!
絵に描いたような三下だな
ありがとう・・・
気にするな じゃあな
あのお名前だけでも・・・
名乗るほどの者ではない
所詮かっこのつかんちびの侍だ
いいえとっても格好良かったわ
この街じゃみんな自分のことばかりなのに　侍だってそう
見ず知らずの人間を庇えるなんてすごいわ
あなたみたいな人がこの街を変えていくんだと思う
・・・・・・！
そんなに褒められたのは初めてだな…

そうなの?やっぱりこの街の人間は見る目がないのね 自信を持っていいわ
あなたはこの街一強くてかこよくて大きい侍よ
カアアアアアアッ な・・・!?
お・・・
？　あ・・・
落合だ また来る!!
これはバイトやめられないわね・・・ 結局名乗ってくれたし
さて今日も高すぎる弁当を買うか
たまには文句でも言ってやるでござる
その後頻繁にコンビニを訪れるマコの姿があった
第二十話完