第百話　ハーレム道場大作戦

-平成6年-
オギャーオギャー
よくやったァよくやったぞ！！
名前はもう決めてある「志乃」だ！
この子には私の剣術の全てを叩きこむ
この子が道場を継げばきっと女子に人気の道場となる
そして老後はハーレム生活を送るのだー！！
平成のジャンヌダルクを讃えよー！！
高田さんすみません・・・それが手違いで
ガサゴソ
男
2番目の子は・・・
男

だが長男は才能アリじゃないか
道場は男くさくなるが金には困らんかも　イケメンに育てばハーレム生活の夢も・・・
そんなこと言ってたら妻に逃げられた
バーーン　女遊びとギャンブルもう耐えられません さようなら 妻
ジャーーン　子供にも 自由になる さらば　龍・馬
-令和3年-
ピーンポーン 高田さーん　家賃のお支払いですが

3ヶ月滞納されているのでこのままだと強制退去していただくことになります
仕事を休んで息子たちを探していたから金が無いのだ・・・
言い訳無用 手荒な真似されたくないだろう
手は出さないでね・・・令和だから今
なんでこうなったんだ華々しい人生計画があったのに・・・
何を言う諦めねば人生まだ間に合う
間に合わないよ～ハーレム道場ブッ建て大作戦
ああ それは間に合わんかもな
よし大久保殿こいつをブラックリストに
待て待ていい手がある 保証人が見つかった 今から契約し直して保証人に払ってもらう
滞納している状態で契約を変更することは・・・
いいからついてこい！

龍之介の家・・・ついに見つかったか
昨日ついに探り当てたのだ ここに息子が住んでいるので肩代わりを・・・
あっ父上・・・！
逃げろォ～
あーっ逃げるな
マコちゃんあれとめて
・・・あれは貴殿の金稼ぎの道具ではない
もう追うのはやめてやれ　滞納分も自分で払え！
ぐ～～～
いつでも逃げおって・・・あいつら道場のなにが不服だったんだ
申し分なく広い道場思う存分修行できる環境
老舗で弟子も多く流派も有名 才能もあるのに

ねえマコちゃん
確かに剣をやるものとしては羨ましい だが人の生き方とは・・・
わかったマコちゃん止めてくれたら道場あげる
弟子とって修行してすきに経営していいからあ～
えっ ゴクリ
ちょっいやぁうちの社員なんで・・・
あーでもマコちゃんじゃ龍之助に勝てないかあ
なァッなんだとぉ！？
今吐いた一連の言葉！！一言一句忘れるなァ！！！
マコちゃーん！？
ワハハ われらの逃げ足に追いつけるものか！
や・・・何か来てるけど兄上・・・
龍之助ェ!!
ギャアアッ

マコ姉なんでぇ～
ちょうどギャンブルで大負けしたところに父上が来るとはこんなにできた夜逃げ日よりはない
まだ昼間だけど
逃げさせてもらうでござるよ
父も父なら子も子だな　斬られて当然
僕のために争わないで～
父上は関係ない!!
こちらこそいい機会だ　今日こそ決着だ
大変だ…穏便に…
ぃよしこのスキに・・・
いやいや待ってください!!
滞納したまま逃げちゃうともう僕も審査通りやすい物件紹介しにくくなっちゃいますから
・・・・・・
高田さんだめです

・・・・・・・・・・・・・・ふう
私には昔から夢があった
ハーレム道場大作戦ですか
そうだ
龍之助は天才で簡単に私を超えた　こいつしかいないと思った
だが道場を継ぐ気もないし私に似てしまったせいで金もない
追いかけても無駄なのはわかっていたのに
息子に固執せず見方を変えるべきだった やる気も才能もあるジャンヌダルクが近くにいたのにな
えっ
バチン
ブスッ
キャーッ
勝った・・・

ううう勝った　ついに勝った!　ポロポロ
道場はいただいたぞー!!
えー!?そんな話だったの!?
跡継ぎが見つかったのでもうお前らは追わん 自由に暮らせ
えええー!!やったｰ!!なんで??
ええ?マコちゃん道場継ぐの…??ウチやめるの？
兄上っ大久保さんの用心棒枠空くんじゃ？
初めて剣で負けた・・・
道場の権利書だ 私の夢は君に預ける
ほかにも渡すものがあるだろう
そうだったそうだった
ということで龍之助もう追わんから私の家賃を肩代わりしてくれい
ダッ
あー逃げた!マコちゃん追って!!
もう追わんゆっくり人生やり直せ
この権利書で家賃払えたんじゃ・・・
第百話完