第七十三話　たたっ斬る

よお
うわっ・・・落合・・・
我が家まで何用でござるか　決闘でも申し込みに来たのか？
決闘か　それも良いな
私の剣術はさすがにもう貴様を抜いたはずだ 表に出ろ
謹んでお断り申し上げる
そんな理由ではなかろう
こんな傾いたボロ借家に来たわけは
！
失敬な

ここ周辺の住宅地は弊社大久保殿の管理する物件だぞ ちゃんとお手入れしている
それを安価で貸してやっているのだ　口を慎めい！！
そ　そうでござったな
まるで言い返す言葉がない 申し訳なし　じゃ
待て待て待て!!
大久保殿に頼まれてやってきたのだ　貴様に聞きたいことがある!!
早くそれを言うでござるよ
先日ここ周辺に不審な人物が確認されたらしいじゃないか
住みよい街作りのためにもたたっ斬ってやらんといかん
！
なので情報を集めているのだ
ま・・・貴様と遭遇していれば既にたたっ斬られているだろうがな

・・・非常に申し上げにぐいのだがその不審者は我が父の可能性がある
なんだと!?
高田道場師範高田殿か・・・
貴様らを探しているんだったな
落合がたたっ斬ってくれればありがたい
・・・・・・・
父上も我々に近づけなくなるだろうからな
高田殿と言えば東京国一の剣術使いと言われたこともある人物
私の腕でたたっ斬れるのだろうか・・・
なにを弱気になっているでござるか
らしくない
落合なら余裕でござるよ
そ そうか？
父上なんて拙者より弱いんだから
そうか・・・・・・何ーーーー!?!?

高田殿に剣で勝ったことがあるのか!?
子供の頃な
子供の頃ー!?
才能が憎い・・・!!それを有効に利用しない貴様も・・・!!
不審者なんぞ後回しだ!!決闘しろ!!
仕事するでござるよ・・・
貴様が言うなー!!!
もー何の騒ぎですか!?
おお・・・すまない ここらに不審者が出たというので情報を集めていたのだ
あ
絶対姉のことだけどいう勇気が無い・・・
迷惑にならんところでやるぞ ここには近くに公園もある いい物件だろう!!
やれやれ子供たちの見世物になってくるか・・・
第七十三話完