第九十四話　都心部でよく見かける排除アートとは

サッサッ
ありがとね～掃除してくれて　ピッカピカー
近隣住民のために致し方なくだ
マコちゃんは可愛くてしっかりしてていいな～
うちの息子どっちか婿にもらってくれないかな
死んでも貰わんわ
そんなことより高田殿は何故ここに住んでいるのだ
ここはアホ息子を探しだすための仮住居だ あいつらには道場を継いでもらわんといけないからな ！

そうか…馬太郎が高田殿から逃げてるようなことは言ってたな
田町周辺に潜んでいることは掴んだのだ！
もうすぐ見つかるじゃないか…
本当は周辺に張り込んで捜索をしたいところだ
ベンチやら道路端に宿泊まりしてな
その情熱を他に使え
それが出来なかったから仕方なくここを借りたのだー！
なんだ大した情熱でもなかった
違う！物理的にできなかったのだ 東京国では「排除アート」が広まりつつあるからな
「排除アート」?

椅子で寝ようとしても仕切りがあって寝られない
道路端で寝ようとしてもとげとげがあって寝られない
寝る場所がどこにもない
「排除アート」とはアートで公共の場所を占領しホームレスを排除するものなのだ―！
たまに見るが意味があったのか　なんだかネガティブな施策だ賛否ありそうだな

なんだか優しくない考え方だよね～
アーティストも本意ではないだろう 根本からなんとかならないのか
根本から考えて龍之介がスッと道場を継げばよかったんだ
そっちじゃない！
マコちゃんはうちの息子たちの居場所知らない？
・・・知らんな　では私は帰るぞ
うん見つけたら教えて～
・・・・・・
古い考えだと私は思うがな　親の意志を子供が継がなければならないなんて
・・・・・・え
生き方を縛ることこそ優しくない考え方なんじゃないのか
！！！
すごっ！主人公みたい　やっぱり娘に欲しい～また来てね
二度と来ん！！はなせ！
第九十四話完